NDフィルターとは、カメラが取り込む光の量を減少させる事で、シャッター速度を遅くし、動いているものをあえて止めずに撮影したり、湖面を滑らかに写したりする事のできる、アイテムで、減光フィルターとも呼ばれます。
NDフィルターを使う事により、明るい場所でも人物の動いている躍動感のある作品に仕上げる事ができる為、作品に幅が出ます。
NDフィルターは、保護フィルターと異なり、フィルター自体に黒っぽい色がついていますが、発色自体には影響をさほど与えません。
同様にフィルター自体に色の付いているのが、PLフィルターですが、その効果は異なります。
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NDフィルターの種類
NDフィルターは、得たい減光効果により、濃さを選択する必要があります。
ND16やND8といった番号で濃さを表していて、その数字の意味は、ND8ならシャッター速度を8分の1にし、ND16なら16分の1にする事ができます。
番号が大きくなるとその分減光効果も比例しますが、ND400以上になるとファインダーで被写体を確認する事が難しくなるので、初心者には扱いにくいとも言われています。
NDフィルターは重ねて使用する事もでき、例えば、ND8とND4のフィルターを2枚付けた場合、その効果は【8☓4=ND32】となります。
効果と撮影シーン
滝や川など
滝や川のある場所は大体、木々によって光量が少ない事もあり、大きな減光をせずとも水の流れを糸状に撮影する事ができます。
目安としては、ND16程度。
日中に街の人物や車を流す
日中は光の量が多く、その分減光量を増やす必要があります。
目安としてはND500〜ND1000程度が必要となります。
朝の湖面や波など
幻想的な写真とも言える、朝方の水辺の風景は、光量が少ない事もありますが、シャッタースピードを30秒ほどにする必要があるので、目安としてはND400程度の減光効果が必要となります。
ISO感度と絞り
シャッタースピードは、フィルターを使用していてもISO感度と絞りで調整をする必要があります。
持っているNDフィルターでは減光効果が低い場合などは、ISO感度をできるだけ低くし、絞り(F値)を絞って(F値を大きく)する事で、ある程度の対応が可能になります。
しかし、絞りすぎてしまうと回折現象によって、ピンとが甘くなり、全体がふんわりとした印象になってしまうので、F8〜F16程度までが常用範囲と考えた方が良さそうです。
逆に持っているNDフィルターの効果が強すぎる場合はISO感度を上げる事で、シャッター速度を早める事ができますが、これもカメラ機種によっては、高感度ノイズが発生する限度が異なり常用としてはISO1600〜ISO3200程度と考え使用した方が良いと思います。
可変NDフィルター
通常は、ND4やND8といったように、1種類の減光効果を行うアイテムを使用しますが、この効果をフィルターを回す事によって、変更が可能な可変NDフィルターといったアイテムが販売されています。
1枚あたり、3000円から1万円程度のフィルターですので、何枚も用意すると、費用もかさんでしまいますが、こういった可変式のアイテムを利用する事で、出費を抑える事ができます。
ただし、可変式のフィルターは2枚構造になっていて、フィルター自体に厚みがあるため、ケラレが発生しやすかったり、商品によっては色のムラが出たりする場合があるようです。
NDフィルターの効果を確かめる為や、複数枚持っているがどうしても思うようなシャッタースピードにならない場合の緊急用として考えた方が良いかもしれません。