気温も上がる日がぼちぼちと出てきて、桜と花粉の時期が到来しました。
僕は重度の花粉症ですが、やっぱり春になると、毎年写欲が湧いてくるので、今年も薬をしっかり飲んで、撮影に出かけようと思います。
このページでは桜の写真撮影で失敗しやすいポイントに重点をおいた、桜写真の上手な撮り方とバリエーションのご紹介です。
スマートフォンで撮影する場合は、露出とホワイトバランスの設定が可能な、Camera+やプロカメラ HDがおすすめですよ。
ただ、現在のiPhoneXなどはカメラ機能が秀逸すぎるので設定などはあまり考えなくてもきれいに写す事ができますね
1.露出をプラスに補正して撮影する
桜の写真で一番多い失敗は、目で見て綺麗な桜を写真におさめたつもりが帰って見ると写りが「暗い」。
そもそも、デジタルカメラは、適正な露出(センサーに光を当てる)をシャッタースピードと絞り、ISO感度によって決定しますが、白っぽいものを撮る時は、光の量が多いと判断し、自動でセンサーに当てる光を減少させています。
逆に黒っぽい被写体の場合は、光の量を多くしているので、目で見た時より明るく写る事が多くなります。
この特徴を知っておけばいろいろな被写体で応用する事ができます。
桜は白っぽい被写体で、暗く写りやすいため、露出をプラス側に補正してあげます。(目安としては+1.3〜3程度)
露出の補正は、機種により異なりますが、NikonエントリーモデルのD5000の場合は、この+ーボタンを押しながら、コマンドダイヤルを回す事で、露出補正を行う事が出来ます。
プラス側に動かせば、明るくなりますし、逆なら暗く写ります。
関連:測光モードと露出を理解して一眼レフカメラを極める
関連:1年後、後悔しない為にRAWで撮影しよう
2.全体では無く、寄ってみる
写真の良し悪しは「構図で決まる」と言われるように、メインとなる被写体をどこに配置するかは重要な要素です。
桜の木の根本からてっぺんまでを写してもなかなか上手な写真に仕上げる事は難しく、普通の写真になってしまいがちです。
『普通の写真状態』を防ぐ為には、とにかく被写体によってみる事をおすすめします。
持っているレンズの最短撮影距離を確認し、桜の花びらとレンズを最短撮影距離ぎりぎりまで近づけて撮影する事で、主題が明確になり、一段上の写真になります。
関連:写真の基本構図7つのテクニック!黄金比率をマスターして上達
3.マクロレンズでクローズアップ撮影に挑戦
花や昆虫などをクローズアップして撮影できる事で知られているマクロレンズは、こういった季節の花を撮りたい時には、非常に活躍するレンズです。
しかし、被写体に接写する事で、被写体ブレや手ブレのリスクが高くなり、ピントもシビアになります。
通常このようなクローズアップ撮影をする場合には、三脚を使用する事が多いですが、桜は、高い位置にある為、なかなか思い通りの構図を見つけるのに苦労します。
三脚が届かない場合は、手持ち撮影になりますが、高い位置を撮影する為に踏み台を持って行くと、撮影はもちろん人混みの後ろからでも人の頭を映さず撮影が出来たりするので意外と使えますよ。
4.望遠レンズで、凝縮効果を
もし、全体を写したいのであれば、焦点距離が標準域より望遠よりのレンズを使う事をおすすめします。
望遠レンズを使う事で「圧縮効果」を得る事が出来ます。
圧縮効果とは
広角レンズとは逆に被写体の後ろにあるものも大きく写るので手前の被写体と遠くにある被写体とがすぐそばにあるような写真を撮ることができます。
参照元:Canon撮影テクニック – 撮影テクニック編
焦点距離が長いレンズほど、圧縮効果が出やすいので、持っているレンズの中で一番望遠側(ズーム倍率の高い)ものも持って行きましょう。
目で見て空一杯がピンクに埋め尽くされた”絵”でも、焦点距離が短い(広角より)のレンズを使う事で、花と花の密度が薄くなり、感動的な写真にはなりません。
一面満開の桜を写したいのであれば、圧縮効果を使い密度を濃くするのがおすすめです。
関連:絞りだけでは無い!焦点距離によるボケの違いを知ってレンズ購入の目安に
5.桜に動きを出してみる
風がある日は、桜の木々が揺れ、花吹雪がまたいちだんと綺麗さを演出してくれます。
こんな時には、シャッタースピードを遅くして、花吹雪や揺れる木々が表現できる写真にしてはどうでしょうか。
木々の揺れを表現する為には、シャッタースピードを遅くし、被写体をぶれた状態で撮影するテクニックがあります。
動いて無いところと、風によってなびいている枝が写真に躍動感を与えてくれます。
シャッタースピードを遅くすることで手ブレしを起こしやすくなります、手ブレが起こりにくいシャッタースピードの目安は撮影焦点距離の2倍(50mmレンズなら100分の1秒)です。
しっかりとホールドし手ブレに注意すれば焦点距離と同じ程度のスピードでも写す事は可能です。
もし、これ以上にSSを遅く設定する必要がある場合は、三脚を使いましょう。
三脚にカメラをセットしたら構図を決め、風が吹くのを待ちます。
後は、シャッターを切るだけです。
シャッタースピードは状況により一概には言えませんので、調整しながら何枚か撮影されるのが良いと思います。
しかし、晴天でシャッタースピードを遅くする事で、絞り値も大きくする必要に迫られる事があります。絞る(絞り値を大きく)事によって背景がボケにくくなります。
晴天で、遅いSS、絞りを開けて撮りたい場合は、NDフィルターを使い、減光する事で好みの設定で撮影する事が出来ます。
関連:NDフィルターとは?その効果と種類を学ぶ
また、花吹雪を撮影するには、雪の撮影と同じようにフラッシュを使い、スローシンクロ(日中シンクロ)を使う事で、比較的かんたんに写す事ができます。
6.桜を副題に時期を演出してみる
桜だけを撮影した場合、撮影地などの情報がなく、特徴の無い写真になってしまうかもしれません。
桜をメインにせず、寺院や街角、人々などを主題にし、背景に桜を持ってくる事で、日常に色が出て素敵な写真に仕上がります。
運もありますが、桜の木に鳥がとまっていたら絶好のシャッターチャンスです。
じっくりと観察してみましょう。
7.青空を入れるならPLフィルターを使う
※桜じゃ無くてごめんなさい。
桜の木を下から見上げると、構図の中には自然と空が入ります。
もし、その日がピーカンの青空なら、是非PLフィルターをレンズに付けて撮影をしてみましょう。
PLフィルターは紫外線をカットし、空の青さをより引き出してくれますので、青空とピンク色のコントラストを綺麗に写す事が出来ます。
関連:綺麗な夏空を撮影する方法-PLフィルター使い方
8.ホワイトバランスを調整してイメージチェンジ
RAWで撮影し、PCで現像を行っている方は意識する必要がありませんが、jpg撮影が基本で、撮ったらそのままプリントしたりSNSへアップする方は、撮影時にホワイトバランスの設定を色々と変えてみると、全く違った印象の写真を撮る事が出来ます。
9.上だけでは無く足元も観察
咲いている桜をひと通り移したら、足元にも目を向けてみましょう。
水たまりに浮かんでいる写真や、切り株の上に落ちた桜の花は、それだけで味のあるオシャレなイメージの写真になります。
10.子供と桜を一緒に
子どもと一緒に桜を写す時は、ローアングルでの撮影がおすすめです。
お子さんを見上げるようなアングルの構図にすると、上の桜と一緒に写す事が出来ます。
その時に背景をボカしてあげれば、明るい桜の中にお子さんが浮かび上がった写真を撮る事ができます。
そこに笑顔があれば100点満点の写真間違いなしですね♪
また、この時期は入園、入学シーズンです。初めての制服やピカピカのランドセルと一緒に撮っておくのもお忘れなく。
11.撮影する時間を変えれば全く違う印象に
撮影する時間帯は、そのシチュエーションと同等に重要な要素です。
良い写真というのは人それぞれの感覚で違いますが、『ありきたりの写真ではない事』も指標になっていると思います。
よく言われるマジックアワー(日没後に数十分程体験できる薄明の時間帯(wikipedia))も1日の中でほんの数分しか体験する事のできない貴重な時間で、天気や場所など複数の条件が重なると良い写真を撮る事ができます。
(マジックアワーの時刻が計測出来るツール)
桜も、昼間は大勢の人が花見や撮影を楽しんでいますが、早朝や日の出直後など、あまり人がいない時間帯を狙ってみるのもポイントです。
1週間程度は桜が楽しめるので、同じ場所に時間を変えて何度も足を運びましょう。
12.雨の日も楽しんで!
桜は咲き初めてから、葉桜になってしまうまで1週間程度しか旬な期間が無く、そんな時に限って、週末に雨が降ってしまうとせっかくの写欲もげんなりです。
でも、自然を被写体に選ぶのですから、雨の日ならその時にしか取れない桜があります。
イメージしていた写真が撮れなくても、新しい発見にきっと出会えずはず!
まとめ
さくらは、1から2週間ほどしか楽しむ事ができませんが、咲き始めから散り始め頃まで、いろいろな表情を見せてくれます。
暖かくなってきた季節、心もうきうき写欲もアップ!素敵な写真を撮ってください♪
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