これまでニコンユーザーはNikon機を購入すると、同梱された『View NX2』を使い、簡単な画像補正やレタッチを行っていました。
しかし、増え続ける大量の写真をView NX2で管理をしていると、動作が非常に遅くなりとても数千枚の写真を管理するのには使い勝手が良いとは言えません。
そこで、管理ソフトの純正上位版である『Capture NX2』を使う選択枠が出てきますが、Capture NX2は16000円と高価な有料ソフトです。
キヤノンには『Digital Photo Professional』という写真管理からRAW現像までを行うソフトウェアが同梱されているのに対し、ニコンは簡単なRAW現像ソフトしか提供してくれないのは、その差を知ったユーザーはがっかりした事でしょう。
しかし、2014年2月25日にNikonから『Capture NX-D』のベータ版が公開され、『Capture NX2』の最新版であり、正式公開時も無料である事が発表されました。
ようやく来たかといった感じですが、ニコンユーザーにとっては朗報ですね。
Capture NX-Dって何ができるの?
このソフトは、RAWで撮影したデータの色みなどを補正し、jpgデータなどに書き出す事に特化したソフトです。
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RAWデータはjpgデータに比べてファイルサイズが大きいので扱いにくい形式ですが、撮影後、データを修正する場合、RAW形式であれば画質の劣化を最小限に抑える事が出来ます。
jpgデータは「補正→保存」の度に画質が悪くなるので、撮影後に修正を加えたい場合はRAWで撮影し、現像ソフトを使ってjpgに書き出す処理をするのが良いでしょう。
非破壊方式
Capture NX-Dは、RAW現像に特化したソフトですから、現像を行う上で大切な機能が含まれています。
その一つに「元ファイルに変更を加えない」方式があります。
元データを編集した際、サイドカーファイルというものが生成され、編集情報を記録していきます。
元データを触らないので、間違った編集を行った場合も、過去に遡る事が出来ますし、元画像の劣化が起こらないので安全です。
<元画像>
<現像後>
ホワイトバランス、露出、シャープネスをいじりました。
その他、切り抜き、ホワイトバランス自動補正(結構良い)、傾き補正などが行えますので、まだRAWで撮影をしていない方は、撮影時、ホワイトバランスや露出はオートで撮影する事で、撮影自体に集中する事が出来ます。
大量ファイルからの検索
Lightroomほどではありませんが、View NX2と比較すれば、写真検索速度も高速です。
タグやレーティング機能は当然ありますし、カメラ、レンズ、撮影iso感度、シャッタースピード、絞り、焦点距離、から絞り込む事が出来ます。
この絞り込みは、写真を探す時に重宝する機能ですが、例えば交換レンズを買う時、キットレンズで一番使用する焦点距離から、次のレンズの目安にする事が出来ます。
また、自分がどういった設定で撮影する事が多いかの傾向をつかむ事で、新しい設定にチャレンジするきっかけになり、撮影スキルもアップしていきます。
Capture NXーDの使い勝手
写真検索はかなり使いやすい印象です。WindowsならCtrl+F(macは⌘+F)で、検索ボックスが出て来て、絞り込む設定をチェックするだけで、検索が出来ます。
RAW現像は、純粋に撮った写真を補正する点で言えば、不足は無さそうですが、青いものを紫にしたいようなレタッチには向いていません。
そこまで高機能では無い分、初心者の方には使いやすく、ステップアップする為の武器になりそうです。
動作環境
<Mac>
OS X 10.8、10.9
<Windows>
Windows® 8.1 64bit版
Windows® 7 (SP1) 64 / 32bit 版
※すべてプリインストールされているモデルに対応
<共通>
CPU:Intel® Core™ 2 Duo 以上(Core i5 以上推奨)
RAM:4GB以上
容量:推奨2GB以上
モニター解像度:1280×768ピクセル以上
まとめ
僕はLightroomでのワークフローがやはり使いやすいと思いますが、カメラを買ってすぐに写真管理ソフトを購入するユーザーは少ないと思います。
当然、そのメーカーが出しているソフトに頼るのが一番安心ですし、そこから自分の環境に合わせて、使い続けるか、有料ソフトを購入するかを選択すれば良いと思います。
Nikon Caputure NX-D無償ベータ版ダウンロードページ
更に高度な現像を行いたい場合や、写真の数が1万枚を超える場合などは月額1000円で利用が可能なLightloomがオススメです。
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