近年「カメラ女子」などの言葉があるように、一昔前であれば、カメラオタクの方々にしか扱えなかった一眼レフ(コンデジ)を若い方、女性でもファッション感覚で持ち歩けるようになりました。
また、iPhoneなどのスマートフォンにも高度なカメラ機能が備えられており、アプリなどの連携によって誰でもかっこ良い写真が簡単に撮れるようになりました。
ただ、どれだけ簡単に撮れる様になっても、写真の基本が分かっていなければ、たまたま撮れた写真止まりになってしまいます。
写真テクニックなどの本を見て知識を得ても、それがすぐ写真に反映されるわけではありません。
私はまだイチデジ3年目の初心者レベルですが、初心者なりに、上手くなった転機のようなものが3,4度ありました。
少しづつは上達しているのでしょうが、過去の写真を見返してみると、ある時期を境に良いと思える写真が増えているのです。
私も今上達に向けて勉強の最中であり、上から話せるような素晴らしい写真を撮れるわけでは無いのですが、これから写真を始めようとする方に、私自身が上達に効果のあった方法をまとめてみましたので、参考になれば幸いです。(初心者向けの内容になっています。)
1.テクニック本を買っても腕は上がらない
本屋に行くと、
『7日間でプロ並みの写真が撮れるテクニック集』
『構図をマスターして ホニャララ』
というタイトルのテクニック本が数多く陳列されています。
一眼レフを購入した直後は、こういったハウトゥ本を何冊も購入し、「少しでも早く良い写真が撮れるようになりたい」と思っていました。
しかし、何冊本を読んでも一向に上達する気配がありません(センスが無かっただけかもしれませんが。w)
逆に、一眼レフってこんなに面倒くさいものなのかと気付かされました。
そして、ある程度本を読みあさって発見した事は、本に書かれたテクニックが必ずしも自分が良いと思える写真を撮る為に役立つ訳では無いと言う事でした。
例えば、私の場合は生まれたばかりの子供の写真を撮りたくて一眼レフカメラを購入しました。
撮りたい写真は子供
でも、テクニック系の本は、風景の場合や動物の場合など、ジャンルが分散化しすぎていて、肝心の子供のテクニックは2ページ程度。
じゃあ、子供の撮影テクニックの本を買えば良いのでは?
と思うかもしれませんが、特定の被写体に関するテクニック本の販売数は多くないんです。
「風景」や「ポートレート」などざっくりとしたジャンルなら沢山ありますが、具体的に「子供の寝顔」などの本はありません。
上達する為には、まず、お手本となる写真を見つけ、その写真と同じような絵にする為のテクニックを探す事が一番効果的です。
例えば、この写真の様に撮影したいとします。
背景がボケてますが、ピントが合っている部分はぼけていません。
ピントが合っている部分以外をぼかす為には、「絞り」を知る必要があります。
また、左前面から光が当たっていますが、影がきつくならないように、フラッシュを使用したり、レフ板を使っているのかもしれません。
また、右半分に子供を入れ、左は空いてる事で、子供の視線に何かある事が表現されています。バランスの良い写真にする為には構図を知る必要もありそうです。
まずは、お手本となる写真をインスタグラムなどで探し、まずは同じような状況で撮影してみましょう。
光やぼけが違うようであれば、その項目を勉強し、再度撮影をする。
こういったフローを繰り返し同じような絵が撮れたら、最も使えるテクニックだと思います。
書籍を読む事は、カメラを始めた頃はとても有益な情報をつかむ唯一の手段とも言えますので、どんどん読むべきですが、大切な事は、自分が何を撮りたいのかをイメージする事であり、書いてある事をそのまま実践しても、身にはなりにくい点です。
2.写真共有サイトに投稿する
写真を始めると、自分の撮影した写真を認めてもらいたいと考える方は多いと思います。逆に、悪い部分を指摘して欲しいとも思うかもしれません。
良い意見や指摘などを受ける事で、格段に上達する様になります。
今は、写真専門のSNSなども数多くありますので、そういったサービスを利用して、多くの人からコメントをもらってみましょう。
SNSでは、自分が良いと思った写真は評価されず、あまり良くないと思っていた写真が評価されたりします。
自分以外の人の意見はとても参考になりますし、同じ趣味の方が集まっていますので、情報共有の場としても有効に活用しましょう。
【オススメの写真共有サイト】
- フォト人
初心者でも使い勝手が一番良いSNSだと思います。コメントなどを積極的にする事で、自分の写真を見てもらえる確率が上がります。 - Flickr
英語なので、抵抗がある方が多いと思いますが、世界最大規模の共有サイトなので、国内のSNSではなかなか無い様な素晴らしい写真が数多くアップされています。 - フォト蔵
フォト人と同じく国内のSNS。最近リニューアルが行われ、更に使いやすさが向上した模様。 - はてなフォトライフ
フォト人、フォト蔵に比べ、コメントなどは、あまり頻繁では無いですが、★を付けるのが簡単なので、良い写真などには★がすぐ付きます。 - インスタグラム
映えで日本でもおなじみのインスタ。
ハッシュタグでみたい写真を探し勉強になりますし、スマホからアップされる写真が多いので、一眼レフで撮影したものをアップするといいねが多くもらえる傾向があります。
Flickrやはてなフォトライフなど、保存を兼ねたSNSは、無料でのアップロード制限などがあり、SNS色が強いフォト蔵、フォト人はアップロード制限は緩いものの、保存出来る1枚のサイズに制限がかかっていたりします。
3.撮りたい被写体を、Flickrで見てみる
良い写真を撮る為には、感性を養う必要があると日々感じています。
良い写真を見る事で、その感性が発達します。
写真集など、特定の写真家の作品を見る事はとても勉強になる事ですが、世界最大規模の写真共有サイトには、1日に100万枚もの写真がアップロードされています。
この一枚一枚を見る事は不可能ですが、Exploreという表示方法があります。
Exploreは、一日にアップされた写真のうち、最も注目される写真500枚を見る事ができます。この機能はプログラムが写真を自動で判別しているそうで、非公開となっていますが、素晴らしい写真を毎日500枚も見る事ができます。しかもタダで。
これらの写真には、撮影した焦点距離・絞り・シャッタースピードなどの情報が掲載れている場合が多く、どういった状況で撮影された写真なのかを確認する事ができます。
国内のフォト人やフォト蔵でも同じように確認が出来、日本語なので使い勝手も良いのですが、写真の枚数は圧倒的にFlickrの方が多いですし、海外の写真家などの作品を多く見る事が出来るので、グローバルな感性が養えると思えます。
また、Flickrでもう一つオススメの機能が、World mapです。
World mapは、撮影地から写真を探し出す事が出来る機能で、同様の機能がフォト人やフォト蔵にもありますが、検索結果の数が比較になりません。
自分が撮影した事のある土地で撮影された写真などを見る事ができますし、『今週末に遊びに行く場所で、撮影されている素晴らしい写真を事前に確認しておく』なんて使い方も出来てしまいます。
4.同じ被写体で最低100枚撮影する
?どこだったか忘れてしまったのですが、確かプロのフォトグラファーのブログを見ていた時、「上達するテクニックは1つの被写体で1000枚の写真を撮る事」と書かれていました。
この方法にはルールがあり、『同じ写真(絞り・シャッタースピード)は2枚撮ってはいけない』との事。
この記事を見た時に、これまでぼんやりしていた点と点が線で結ばれた気がしました。
例えば、夕飯の料理の写真を、絞りや構図、距離、ライティングなどを細かく変えながら撮影していきます。およそ50枚程度撮影をすると、自分自身が持っているキャパを超えるらしく、シャッターが切れなくなってしまいます。
ここからが、勝負だそうで、頭を振り絞って同じ写真にならないよう撮影をしていきます。撮ってはカメラのモニターでチェックをし、「もっと良く撮れるには?」を考え続けるのです。
影が強いようなら、室内の照明を調整してみたり、レフ板を使ったりします。これを1000枚繰り返す事で、身体で写真を覚える事が出来るようになると書いてありました。
正直、私の場合、一つの被写体で1000枚の写真は、休日3日分に相当する枚数です。1日に1000枚撮影した事などありませんので、まず100枚から初めてみる事にしました。
するとこれまで同じような構図でしか撮れなかった写真にバリエーションが出来、大きな前進を肌で感じる事が出来ました。
5.ストックフォトに投稿する
ストックフォトをご存知でしょうか。ストックフォトは、撮影した写真を専門のサービスサイトに登録して、自分の写真を販売出来るサービスです。
国内では、PIXTAやフォトライブラリー、Tag stockなどが有名ですが、これらのサービスを上手く活用して、写真の腕を上達させる事ができます。
写真が好きな方なら、一度は、「写真で飯が食えれば楽しそう」と考えた事があるはず。写真だけで生活ができなくても、自分の好きな写真で副収入が得れれれば素敵ですよね。
そんなアマチュアからプロカメラマンまでが、こういったストックフォトサービスに日々写真を投稿しています。登録された写真は、一般の方から購入出来るようになり、WEBサイトやポスターなど様々な場所で使用される事になります。
自分が撮った写真を購入してもらえると、ストックフォトサービス会社の手数料を引かれたものが収入となるわけです。
ただし、掲載された写真の全てが売れる訳ではありません。実際の所、掲載される事自体が難しんですねぇ。
ストックフォトサービス提供会社は、毎日掲載依頼のある写真を審査しており、購入されやすい写真(各社独自の審査基準により)を通過させます。売れる見込の無い写真を掲載する事で、サービスの質が下がらぬ様、審査が行われているわけです。
審査は、『水平が保てているか』『ゴミなどが映り込んでいないか』『露出は適正か』などが厳しくチェックされます。
私も、最初、国内海外複数のストックフォトアカウントを開設し、10枚ずつ写真をアップした結果、各サービス1~3枚程度だけが掲載され、残りは審査にすら通りませんでした。
理由は、水平がずれていたり、ゴミが写り込んでいた為です。
それまで、趣味の範囲で家族くらいしか見る事の無かった写真なので、そこまで神経質に写真を考える事はありませんでしたが、こういったサービスを利用した事で、どういった写真が商品として成り立つのかが少し分かりました。
機会があったら是非活用してみて下さい。
6.過去の写真を引っ張り出していじくる
数年前の写真を見返したりする事はありますか?私のカメラ歴はまだ浅いですが、既に3万枚程度の写真がハードディスクに溜まっています。
少し前の写真を見返す事で、その時はどうでも良かった一枚に心が動いたりする事もあります。
以前撮った写真を見返す事で、どういった失敗が多いのか傾向を探る事ができます。膨大な写真をただ眺めるのは地味な作業となり、苦痛になりがちなので、私の場合は、レタッチの練習を兼ねて過去に撮りためた写真をもう一度整理します。
レタッチは、賛成派・反対派に分かれるようですが、私達の様な趣味カメラマンは、楽しみながら写真を撮影出来れば良い訳で、型にはまる必要は無いと思っています。
レタッチに反対派の方は、フィルムの頃から写真を撮っていた方に多いと聞きますが、確かにその頃と比べれば、簡単にミス写真も修正が出来てしまいます。
写真の腕は、レタッチの技術にも大きく左右されるのかもしれません。
レタッチを学ぶ事は、先にも触れたストックフォトの審査に通過する為には、絶対に必要な事ですし、ちょっとしたピンぼけなら分からない程度にいなります。
また、HDR(High Dynamic Range(ハイ・ダイナミック・レンジ))によって、より見た目に近い写真を作る事もできます。
オートブラケティング撮影からHDRで明暗差のある写真を1枚に合成する方法
自分の写真を何となく眺めているだけでは気づかなかった事が、レタッチをして細部まで見渡すと見えてきます。
また、過去の写真を見ると自分がいかに上手くなったのかを確認出来るので、上達しないフラストレーションがたまる事も無くなります。
7.常に写真を撮れる状態でいる
一眼レフカメラを勤務先などに持っていく事は、難しい方も多いと思いますが、出先で綺麗な夕日に出くわしたり、雰囲気の良い路地を見つける事もあります。
そんな時、いつでも撮影出来るような場所であれば、後日出向いても良いのですが、シュチュエーションはその時にしか撮影出来ないものです。
こういったチャンスロスを少しでも減らす為、僕は、画質に優れていると言われているiPhoneを使用し、有料のアプリを使っています。出張などで一眼レフを持ち歩けない時間が増えてきた為、現在はコンパクト一眼レフの購入を検討しています。
コンデジは高価なものではありますが、利便性などを考えると日常に向いたカメラと言えます。
今はiPhoneで撮影を行なっており、有料のカメラアプリを利用する事で、何でも無い日常をドラマチックに撮影する事が出来て大変便利です。
引き伸ばしたりする事が無ければ、iPhoneの画像でも十分に楽しむ事ができます。
最後に
はじめのうちは、シャッターを切るだけで楽しかった写真が、写真にのめり込めば込むほど、他の人の写真を見て「何が違うんだろう」「自分にはセンスが無いのかも」と思ってしまう事があります。
写真でご飯を食べている訳では無いので、楽しんだら良いと頭では分かっていても、上達しないフラストレーションは溜まっていくばかり。
これだけのめり込める趣味を持てた私達は幸せものですね^^;
これからも、上達に向けて一緒に頑張りましょう!!
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