冬の写真と言えば、雪山や星空などの写真が撮りたくなる季節ですが、イルミネーションも撮影旬な季節です。
特に都心部では、クリスマスシーズンを中心に前後の期間は、どこを歩いてもピカピカ綺麗なイルミネーションを見る事が出来ます。
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そんな綺麗なイルミネーションを、立ち止まって携帯電話で撮影している方もいますが、せっっかくですから、後で見返しても綺麗な写真で残しておきましょう。
夜景・イルミネーション撮影にあると便利
三脚
光と言っても普通に撮影すると、シャッタースピードが遅くなりますので、手ブレしやすくなります。
三脚を持っておく事で、シャープな写真を撮影する事が出来ます。
カメラやレンズにVR(手ブレ補正)機能が付いている機種で三脚を使用する場合は、手ブレ補正が誤作動する事がありますので、OFFにしておきましょう。
レリーズケーブル
三脚を使っても、シャッターを押す時に微妙なブレが発生します。
よりシャープに写す為には、カメラ本体や三脚に触れずに撮影するのが良いので、レリーズケーブルがあると役立ちます。
(花火などのバルブ撮影にも役立ちます)
クロスフィルター
レンズの前玉部分に装着するフィルターで、クロスフィルターを付けて撮影すると、光がキラキラと輝いて見えます。
より幻想的なイルミネーション撮影をしたい方におすすめです。
(フィルターはレンズの経に合わせる必要がありますので、購入時には確認しましょう。)
↓こんな感じの光に写ります。
防寒具
街を歩く程度なら我慢出来ますが、腰を据えて撮影をする場合、この季節の夜は非常に冷えます。
人が通りすぎる瞬間を待ったり、ある時間の点灯を待ったりと、何もしない時間が想定出来ますので、温かい格好で出かけましょう。
撮り方
その場では、「すごい数のイルミネーション!綺麗!!」と感じて、撮影したものの、撮った写真を見返すと
「なんかショボく見える(実際はもっと明るかった)・・・」
「寒々しい感じがする・・・」
と、実際に目にしたものとは異なる写真になっている事があり、せっかくのイルミネーションも残念写真に。
レンズの特性やボカし方を知って綺麗なイルミネーションを撮影しましょう。
レンズ選び
イルミネーションは光がたくさんまとまっているから魅力的に感じます。
電球の数が少ないイルミネーションはどこか寂しい印象ですよね?
豪華な写真にする為には、望遠レンズを使うのが良いです。
望遠レンズには圧縮効果があり、密度の高い写りになります。
また、イルミネーションはあえてボカして撮影すると、幻想的なイメージになりますが、同じ絞りのレンズでも望遠レンズの方がボケやすい特徴があります。
関連:絞りだけでは無い!焦点距離によるボケの違いを知ってレンズ購入の目安に
もし複数のレンズを持っている場合は、焦点距離の長いもの(60mm?100mm程度)を持って行きましょう。
ホワイトバランス
RAWで撮影をしていない場合は、ホワイトバランスにも気を使って撮影を行います。
ホワイトバランスをオートで撮影してみて、見た目の色と写った色に違いがあれば、手動で調整を行います。
調整の目安として、オレンジやゴールド系の光の場合、ホワイトバランスを「日陰」や「晴れ(晴天)」にする事で、温かみのある色になります。
また、ブルー系の光源の場合は、「電球」や「蛍光灯」に設定するのが良いでしょう。
関連:ホワイトバランスの設定で自分好みの色・写真を目指す
露出補正
露出もRAW撮って現像する場合にはオートで問題ありませんが、jpgデータのみでの撮影時には1段程度プラスに設定してあげると、光が表現できると思います。
関連:測光モードと露出を理解して一眼レフカメラを極める
背景をぼかす
寒々しいイルミネーションにしない為には、写っている光の面積が多い方が良いですね。
背景をおもいっきりボカしてあげると、被写体が浮かび上がってイルミネーションの雰囲気がよく出ます。
大きくボカす為には、
- できるだけ被写体に近づいて撮影をする
- 明るいレンズを使う
- 焦点距離の長いレンズを使う
があります。
2、3は持っているレンズによりますが、1はその場でできる事なので、できるだけ近寄って撮影をしてみてください。
絞りを意識する為には、撮影モードを「絞り優先AE」に設定する必要があります。
いつもオートで撮影をしている方は、この機会に試してみましょう。
前ボケ
背景をボカすのと同様に、被写体の手前をボカす「前ボケ」も試してみましょう。
光をカメラと被写体の間において、被写体にピントを合わせると簡単にボカす事が出来ます。
撮影テクニック
人物とイルミネーションの両方を写す
背景が明るい場所に人物を立たせて撮影すると、どうしても人物が暗くなってしまいます。
また、人物に露出を合わせると、背景が白トビしてしまいます。
こんな時は、カメラ内蔵のフラッシュを使いましょう。
ただし「スローシンクロモード」で使わないと、イルミネーションが写らない写真になってしまうので、注意が必要です。
スローシンクロモードとは
フラッシュの光で主要な被写体を明るく写すだけでなく、背景などフラッシュの光だけでは明るく写すことのできない被写体をスローシャッター(シャッタースピードを遅くすること)によって適正露出にする設定です。
夜景や暗い室内などでフラッシュを使って人物を明るく写し、フラッシュが消えた後にもシャッターを開き続けることで背景も明るくします。
デジタル一眼レフカメラの基礎知識|Nikon
ただし、シャッタースピードが遅くなるので、手ブレには注意が必要です。
また、内蔵フラッシュを使うと、スローシンクロで撮影しても「フラッシュ使った写真」になりがちです。
この場合は内蔵フラッシュに付ける事のできる、デュフューザーがあると効果があります。
露光間ズーム
この方法は単焦点レンズでは出来ませんので、ズームレンズが必要になります。
また、手持ちだとブレが大きくなるので、三脚が必要ですが、面白い写真が撮れますので機材と時間に余裕があればお試しください。
まずは、シャッタースピードを1/6秒から2秒程度になるよう絞りを調整します。
明るい場所なら、ISO400 絞り11程度で、上のシャッタースピードになると思います。
被写体にピントを合わせ、シャッターを切ります。シャッターが開いてる間にレンズのズームリングをぐるりと回転させるだけです。
ポイントは、ズームリングを回す時にカメラを上下左右に出来るだけ揺らさない事です。
(素材が微妙なものですいません(T_T))
ピントを合さない
撮りたい写真をひと通り撮ったら、ちょっといつもとは違う方法で移してみましょう。
この方法にする為にはオートフォーカス(AF)をマニュアルフォーカス(MF)にする必要があります。
マニュアルフォーカスは、レンズのピントリングを回して自分でピントの山を見つける撮影方法です。
マニュアルフォーカスに設定したら、イルミネーションの明るい方向にカメラを向け、どこにもピントが来ない位置にピントリングを回します。
光源が丸くぼやけていればOKです。
ボケ具合は自分で調整してみましょう。
まとめ
綺麗なイルミネーションは、一眼レフの絞りやシャッタースピードをマスターするのに最適な被写体だと思います。
イルミネーション自体が静止していますし、長い時間撮影をする事ができるからです。
デジタルカメラですから、撮影は無料なので、どんどんいろんな方法にチャレンジしてみましょう。