星空の撮影って、すごく高度な技術が必要そうな感じがしませんか?
でも、寒い夜に出かける気力さえあれば、意外と誰にでも素敵な星空が撮れるんです。
今回は、そんな星空撮影の方法についてご紹介します。
星の撮影に必要な道具
星を撮影する時には、三脚が必須となります。
光源の少ない夜間の撮影になるため、シャッター速度を遅くする必要があり、手持ちでの撮影は出来ません。
三脚
基本的に三脚は高価な程、使い勝手がよく安定性がありますので、予算に応じてできるだけ高いものを購入しておく事をおすすめします。
特にカメラボディなどとは違い、ほとんど壊れる事が無いので、長い間使用する事が出来ます。
僕は、ヤフオクで、中古のManfrottoの定価4万円の三脚と2万円の雲台セットを1万円で落札して使っています。
古い型ですが、全く問題なく使えます。
関連:失敗しない一眼レフカメラ用三脚の選び方
ただ、寒い冬に鉄製の三脚を持つのは、非常に冷たい(痛い)ので、
こんな感じのグリップを付けておいた方が絶対にいいですよ!
レリーズ
三脚にボディを固定し、シャッターを切る時にブレが発生します。
それを防ぐ為に、直接カメラに触れる必要の無いレリーズケーブルがあると便利です。
レリーズは、機種によって対応商品が異なりますので、ご自身の機種に合うものを購入する必要があります。
また、バルブ撮影が可能なものを購入しておくと、花火などの時にも使う事が出来ますよ。
広角レンズ
ダイナミックな星空を撮る為に、今持っているレンズの中で一番広角のレンズを持って行きましょう。
35mm換算で20mm程度あれば十分だと思います。50mmを超えてくるとちょっと長い感じがします。
ライト
通常、星の撮影は、真っ暗な場所で行いますので、ライトは絶対に必要です。
スマホなどを使用している場合は、無料でライトのアプリがありますので、別途ライトを持ち歩く必要が無く便利です。
養生テープ
このページではコンポジット撮影を紹介しないので、無くても問題ありませんが、ピントを合わせてからピントリングを固定する為に持っておくと便利です。
長時間、寒い場所で撮影していると、レンズ自体が微妙に収縮するそうで、ピントリングがずれるのを防ぐ事が出来ます。
また、暗いので、知らないうちに合わせたピントをいじってしまう事も防止できます。
環境
星の撮影に必要な条件は、暗い場所で撮影時に晴天である必要があります。
メインが星の場合は、星に露出を合わせる必要があります。
近くに街灯や車の通行があると、綺麗な星空に写す事が難しくなるので、とにかく暗い場所を探す事が、良い写真にする一番重要なポイントです。
また、できれば雲も無い日なら素敵な写真が撮れるはずです。
晴天は必要条件ですが、月が出ていると、星の輝きが小さくなってしまうので、できれば、新月近くの条件を狙うのが良いです。
(参考:月齢カレンダー)
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レンズと設定
空一面の星空をできるだけ捕える為には、広角レンズが理想です。
レンズとボディ、三脚、レリーズをセットしたら、撮影モードを(M)マニュアルモードに設定します。
ホワイトバランスはAutoで、データ形式はRAWで撮影しておきましょう。
冬の夜はかなり冷え込みます。場所探しと後でいじれないピント合わせなどに時間を確保する事で、撮影枚数を増やし打率を上げる方が帰宅後に満足ができるはずです。
ホワイトバランスや細かい露出の調整はRAWで撮影しておけば、後処理が可能です。
関連:1年後、後悔しない為にRAWで撮影しよう
構図
持っているレンズがズームの場合、必ず構図を決めてからピントを合わせる様にします。
ピントを合わせてからズームリングを回すとピントがずれてしまう為です。
構図の中に木や山などを写り込ませてもメリハリのある写真になると思います。
関連:写真の基本構図7つのテクニック!黄金比率をマスターして上達
絞り
絞り(F値)は開放(F値を一番小さく)か、1段絞った程度に固定します。
構図を決めて三脚を固定し、ピントを合わせます。
ISO感度
ISO感度は800から1600の範囲でとりあえず設定してみましょう。
機種によって、ノイズが激しくなる感度が異なりますので、自分が許せる上限に設定してみてください。(感度が高いとノイズが増幅します。)
シャッタースピード
SSは、10から30秒程度の範囲で調整をします。
ある程度、撮影をしながら、感度とシャッタースピードを調整していくので、感覚で問題ありません。
関連:明るいレンズ・暗いレンズ|一眼レフ初心者のレンズの選び方
ピント
ピントは非常に合わせにくいのですが、ファインダーを覗いて一番明るい星を目安に、星がくっきりする所にピントリングを回します。
無望遠(∞)に設定するといった解説がありますが、ほとんどの場合合わないと思います。
無望遠より少し戻るくらいで合うのではないかと思いますが、ファインダーで確認出来ない場合は、撮影後のプレビュー表示→拡大で、確認を行いながら微調整を行いましょう。
撮影データ
上記設定で撮影した例です。
シャッタースピード30秒、絞りF3.5、焦点距離21mm、感度ISO560、分割測光。
Lightroom現像で、ホワイトバランス調整後、Photoshopでアンシャープマスク50%。
シャッタースピード30秒、絞りF3.5、焦点距離21mm、感度ISO800、分割測光。
Lightroom現像で、ホワイトバランス調整後、Photoshopでアンシャープマスク50%、トリミング。
こんな時の対応
真っ暗になっている
レンズキャップは外していますか?僕はたまにやります。
キャップが無ければ、露光時間を長くする(=シャッタースピードを遅くする)か、ISO感度を上げてみましょう。
星が明るすぎる
真っ暗になっている時と逆の事をすればOKです。
また、露光中に車が通ったりすると、ライトの光で飛んでしまう事があります。
星座を撮りたい
スマホを持っているようであれば、「星座 アプリ」で検索すればたくさん見つかります。
あと、スマホアプリで方位磁石も一緒にダウンロードしておくと、方角を簡単に把握する事ができるので、意外と便利です。
結露でレンズが曇った
寒い場所から温かい所に移動した時など、ボディやレンズが曇る事がありますが、故障の原因となるので、できるだけなだらかな温度が変わる様に、室内や屋外へ移動する時に、タオルでくるんで徐々に気温になれる様にすると結露が緩和します。
また、撮影時に真上にレンズを向けると霜で曇ってしまいますので、撮影時に曇ってしまうようでしたら、カメラの角度を下げるなどの工夫をしてみましょう。
本格的に撮影する場合は、電気ヒーターなどをレンズに巻きつける方法もあります。
現像
撮影してきたデータがRAWデータならある程度は現像で救う事が出来ます。
多少ピントが甘くてもシャープをかける事で、四つ切程度であればシャープに見えるようになります。
ホワイトバランス
蛍光灯(色温度3800K)
昼(色温度5500K)
カスタム(色温度2000K)
ホワイトバランスをいじるだけで、かなり印象が変わりますね。
ホワイトバランスの設定で自分好みの色・写真を目指す
まとめ
星の動きは意外と早いので、シャープに写す為には、感度を上げて露光時間を短くします。
ノイズを出来るだけ防ぎたい場合は、その逆で感度を上げ、露光時間を長くするだけです。
後は、ピントが合えば誰でも綺麗な星空を撮影する事が出来ます。
とくに気温の低い冬場は、気流の影響で空気が澄んでいるので、星空の撮影シーズンです。
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